臨床研究へのご協力のお願い

 当院は金沢大学医学部に附属する大学病院として、「良質な医療の提供」、「新たに優秀な医師を育てる教育」、「そして医学の進歩のための研究」が求められています。 麻酔科学の分野でもこれまでに様々な研究がなされた結果、その安全性は飛躍的に高まっています。また周術期の苦痛も軽減できるようになって来ました。
 しかし、近年手術の進歩に合わせ高齢者や長時間の手術が増え 麻酔の更なる安全性が求められています。
当科でも、より良い麻酔管理のための臨床研究をおこなっており、手術を受ける患者様にご協力をお願いしています。
 研究の内容については、外来診察時に担当麻酔科医から詳しい説明をさせていただいていますがその前に説明を聞くかどうかを確認するアンケートを書いていただいています。(説明を聞くと断りにくいと感じるかもしれませんので)アンケートの「協力できない」に丸を付けていただければ研究についてのお話は一切いたしません。また説明を聞かれた後でちょっとでも気乗りしない場合は気楽にそのように言っていただければと思います。当然のことですが研究への参加の有無で以後の対応が変わることは一切ありません。また一旦は臨床研究への協力を同意したけれども手術までに気が変わった場合(特に理由はいりません)は病棟の看護師に言っていただければ結構です。
 当科で行っている臨床研究は金沢大学の倫理委員会の許可を受けたものであり、安全性には全く問題がないものです。(当たり前ですが) その内容は主に痛みの程度を聞き取りで調べたり、少量の採血をお願いするもので、出来る限り患者様に負担をかけないように配慮させていただいています。皆様のご協力よろしくお願いいたします。

学生教育・救急救命士教育へのご協力のお願い

 患者さんが全身麻酔を受けられる際には,いろいろな処置が施されます。その中に「静脈路の確保」および「気管挿管」という手技があります。全身麻酔を行う際にはほぼ全ての症例にて必要となります。
 「静脈路の確保」というのは、通常では腕や脚の血管(静脈)に針を留置することで、いわゆる「点滴」と呼ばれる行為です。確保した静脈路は、点滴や麻酔に使用するお薬や輸液、血液製剤を投与するために使います。
 「気管挿管」は、麻酔がかかって眠られた後で口から気管内までチューブを挿入する手技であり、手術中に人工呼吸をするために用います。これらは、麻酔ばかりではなく救命処置の際に必要な技術であり、医師になるためには繰り返し練習して身に付ける必要があります。 当院は、医学生が臨床実習を行うための病院という一面を持った施設です。
 「静脈路の確保」と「気管挿管」は、医学生が将来医師として働く上でとても重要な技術です。 そこで、全身麻酔を受けられる患者さんに本学の医学生が臨床実習として上記の二つの手技を実習することへのご協力をお願いしています。
 つぎに救急救命士の実習に関するお願いです。心臓が止まってしまった人を救命する可能性を高める方法を厚生労働省や医学界代表者などが検討した結果、救急現場で救急救命士による気管挿管の実施が許可されることになりました。誰でも不測の事態で急に心臓が止まり、救急隊の救命処置に生命を委ねる可能性がありますので、救急救命士の能力を高める意味でも患者さんに救急救命士が気管挿管を実習することへのご協力もあわせてお願いしています。 実習をさせていただくにあたり、麻酔科の専門医が常時付き添って指導に当たり、麻酔科医が行った時と同様の安全性を確保します。万一、事故が生じた場合は当院が責任を持って対処いたします。
 学生実習ならびに救急救命士実習に一度は同意された場合でも、いつでも撤回することができます。またこの実習への協力に同意されなくとも今後の治療に不利益を被ることは全くございません。