麻酔科の魅力
それは “コントロールする” こと。

麻酔科研修内容 基礎編(研修の実際)

毎朝、基本的に8時15分に手術室カンファレンスルームでカンファレンスを行います。 毎週水曜日朝はミニ症例検討会、木曜日には抄読会、金曜日には輪読会が開催されます。
研修医の先生は、朝手術室に入り麻酔器や薬剤の準備がありますので、案外朝は早いのです。

麻酔前日麻酔前診察録(手術前日までに麻酔科専門医が診察した診療録)を周術期生体管理システム(Mirrel:フクダ電子)上で確認し、翌日の担当症例について患者さんの年齢やリスク、予定術式と予定麻酔法などを理解し、麻酔における注意点などの必要な学習を行なってください。
大学ではときに稀な疾患を持った患者さんの症例や、麻酔困難症例、ロボット手術など特殊な手術が行われますので、分からない点は 近くの先輩医師や翌日の指導医に気軽に聞いてみてください。
麻酔当日8時15分からのミーティング終了後、各自手術室へ移動し、指導医とともに麻酔の導入、維持、覚醒までを担当します。
患者さんの入室(8時30分)までに麻酔器の準備、薬剤・輸液の準備、気管挿管の準備を行います。
患者さん入室後には、患者確認を行った後、静脈路の確保、バッグアンドマスクから気管挿管を指導医とともに行います。
原則的には麻酔導入後、維持から覚醒までの麻酔管理に従事していただきますが、場合によって他症例の導入に参加してもらい、なるべく多くの手技を経験していただけるように配慮しています。
ある程度麻酔科の研修期間をとっていただければ、中心静脈穿刺や脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔などの手技も指導医の判断により行っていただきます。
疑問点や指導医に指摘された自己学習ポイント、課題などについては、その日のうちに解決しましょう。
麻酔翌日前日の麻酔担当患者の術後回診をおこない、前日の指導医から課題のチェックの受けてください。
宅直原則麻酔科研修中に麻酔当直は当たりません。
月に数回(平日)、指導医とともに17時以降まで行われる日中の予定手術。緊急手術などに対応していただきます。
日中の予定待機手術と異なり、緊急手術では患者さんの状態は必ずしも良好ではない場合が多く、普段とは一味異なる緊迫した雰囲気の中で麻酔と手術が進行します。
この様な雰囲気になれることも重要です。その場合、医局から夕食(店屋物)がつきます。
その他担当麻酔についてのカンファレンスでプレゼンしていただくこともあります。
原則的に初期研修中は土日,祝日にデューティが与えられることは基本的にはありません。
しかし、私たちが研修医のみなさまに本当に求めているのは、手技だけにとらわれずに麻酔を担当することによって、手術中の呼吸や循環の急激な変化に対して、その原因を考え、速やかに対処できる姿勢を学んで欲しいということです。
術者側とは異なる方向から麻酔管理を通して患者さん全体をみて、患者さんの安全を守り、さらに痛みを和らげるという麻酔科医の責務の大切さを一緒に学びたいと思っています。 また、麻酔科蘇生科を選択科目として選んだ場合には、さらに動脈カニュレーション、中心静脈路確保などの手技を習得することができます。これらは、長時間や侵襲の大きな手術の麻酔管理において必要であり、より複雑な手術の麻酔管理を行なっていきます。術後鎮痛も考慮した硬膜外麻酔を併用した全身麻酔の管理も行ないます。自分で留置した硬膜外カテーテルを使用して麻酔管理を行なった場合には、より充実感が得られることでしょう。
希望者は、選択期間中にうち2週間。緩和ケアチームに加わり、ペインクリニックにおいて、特に終末期医療に関わることができます。緩和ケアチームの一員として、WHO方式によるがん性疼痛の管理を基本から学んでいくことは、今後のたくさんのがん患者さんとの関わりにきっと役に立つことでしょう。

修士課程・博士課程

医学部以外の出身の方で、臨床に関連した分野で修士あるいは学位をとりたいと考えていう方は、ぜひご相談ください。

現在は、主に薬剤が各種ショック状態からの蘇生後状態に及ぼす影響に関する検討を動物実験レベルで行っております。

ラットを用いた基礎実験は金沢大学麻酔・蘇生学教室の研究室で行っております。