手術室のご紹介

我々麻酔科医のホームグランドでもあります、金沢大学病院の手術室を少しだけご紹介いたします。
現在手術室は15室あり、年間の手術症例数は約6200例あります。
そのうち、我々麻酔科の医師により術中管理が行われている症例は約4200例にのぼります。

2024年、手術室を含む新棟が完成し手術室は15➡︎20室(手術室6番は渡り廊下となり欠番となりました)に増室されました。 ロボット手術用の部屋が3室, MRI搭載ハイブリッド手術室, バイプレーン型アンギオ装置搭載ハイブリッド手術室, 感染症対応手術室が新たに使用可能となりました。

新棟 手術室のご紹介

手術室16

主にロボット(DaVinci)手術を行う手術室です

人工心肺を用いたロボット手術はこの室で行われる予定です。

手術室17

こちらも主にロボット(hinotori)手術を行う手術室です。

消化器外科のロボット手術が主に行われます

手術室18

こちらもロボット手術に対応する手術室です

泌尿器科、呼吸器外科などもロボット手術を行なっています

手術室19(感染対策室)

コロナ感染症など、さまざまな感染症を併発しておられる患者さんを安全に手術するための手術室です。通常の手術も行います。

手術室20 MRI対応手術室

奥に見える扉の向こうには最新のMRI装置があります。脳腫瘍など、手術中に腫瘍の局在や摘出範囲の確認のためMRI検査を行うことが可能となります。

手術室21 ハイブリッド手術室

この手術室では、主にカテーテル治療(TAVI、MitraClip、脳動脈瘤コイリングetc)を行うことが可能となります。

新しい麻酔器(ペンダントタイプ:天井から釣り下がるタイプ)や超音波装置も完備

最新のモニターも多く揃っています

人工心肺装置

超音波装置も最新機種を配備

高解像度のモニター機器

おおくのデジタル機器がそろいます

時計はアナログ!!

  • 腹部外科手術
  • 消化管外科
    食道-大腸の手術はロボット支援下手術を積極的に行っており低侵襲化が進んでいます。 もちろんヘルニア・虫垂炎・イレウス等の手術もおこなっています。
  • 肝胆膵移植外科
    肝胆膵の悪性腫瘍に対する低侵襲手術を積極的に行なっています。北陸では唯一の肝移植施設であり, 重症肝不全等の大学病院ならではの周術期管理を行うことができます。
  • 小児外科
    小児における消化器・泌尿器の手術を幅広く行なっています。食道閉鎖等の新生児の手術や, 大開腹を伴う緊急手術は腕の見せ所です。

  • 心臓血管外科・循環器内科

冠動脈バイパス術, 弁形成・置換術, 大動脈瘤の手術(置換術・ステントグラフト留置術)等が行われています。

小児の先天性心疾患手術, ロボット支援下手術, IMPELLA留置を併用した開心術も行われています。

耐術能が低下している症例が多く緊急性も高いうえ, 人工心肺を用いて心臓を一時的に停止させたり, 心臓の状態を経食道心エコーで評価したりと特殊な技術と知識を要します。

循環器内科領域では, 経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)や経皮的僧帽弁クリップ術(MitraClip), 小児のカテーテル治療の全身麻酔・鎮静管理も行なっています。


  • 呼吸器外科

おもに肺の腫瘍や縦隔腫瘍、気胸の手術などが行われます。大血管の合併切除を伴う肺切除術も行われており大学病院ならではです。
肺の手術をする際には、患者さんが呼吸をしていたり、肺が膨らんだ状態では手術をすることができいません。そこで、手術中は片側の肺だけで呼吸をする状況を作りだします(片肺換気)。
「呼吸」という生命に直結する生命活動をコントロールする、ここもまた麻酔科医の腕のみせどころです。


  • 整形外科

脊椎や脊髄の腫瘍から、様々な骨、軟部腫瘍に対する手術が行われています。
また、股関節や膝関節を人工関節に置換する手術など、骨の変形に対する手術も行なわれています。
腫瘍に侵された椎体(背骨)を、丸ごと摘出してしまうTES(全椎体摘出術)は全国的にも有名です。こちらも、脊髄という非常に大切な神経のそばの手術ですので、ときに長時間にわたることがあります。


  • 脳神経外科

脳腫瘍摘出術の他、くも膜出血に対するクリッピング術、脳出血に対する血腫除去術など、緊急性の高い疾患も多く行われています。
ときには、脳機能マッピングを術中に行う awakecraniotomy(覚醒下脳手術) も行われています。
脳外科領域の手術では、「脳」という人間の意識や人格に関わる非常に重要な臓器の手術であるため、顕微鏡をのぞきながら手術が行なわれます。そのため、ほんのわずかな動きすら許されません。


  • 泌尿器科

腎臓腫瘍、副腎腫瘍、前立腺腫瘍に対する手術の他、腎移植術も行われています。また、ロボット (da Vinci) を使用したより侵襲の少ない手術も行われます。
また不妊治療、尿失禁に対する手術も行なわれます。
泌尿器科領域の中でも、副腎にできる褐色細胞腫という病気では、腫瘍をさわるだけで激しい血圧の変動がおこるため、麻酔管理も難しい手術の1つです。


  • 産婦人科

婦人科癌に対する腫瘍摘出術のほか、帝王切開術などが行われています。
当院では、他の疾患を合併しているなど、ややリスクが高い妊婦さんの手術が多いと言えるでしょう。
特に胎児(おなかの中にる赤ちゃん)の状態が危なくなっていて、一刻を争う状況での超緊急帝王切開術の麻酔では、緊迫した空気の中で麻酔科医の力量が問われます。


  • 乳腺外科

おもに乳腺腫瘍に対する手術が行われます。


  • 内分泌外科

甲状腺や副甲状腺に対する手術が行われます。


  • 耳鼻咽喉科

頭頸部の腫瘍に対する手術の他、鼓室形成術などが行われます。


  • 歯科口腔外科

口腔内腫瘍に対する手術の他、顎骨形成や、抜歯、インプラントなども行われます。


  • 眼科

眼科手術の多くは、局所麻酔により行われますが、角膜移植術やお子様が手術を受ける場合、高齢の方で局所麻酔では手術が困難と判断された場合などは、全身麻酔下に手術を行います。