集中治療部

集中治療部は当科の谷口巧教授を部長として運営されています。

集中治療部には22床のベッドがあり, 他臓器不全・術後管理のため多数の患者さんが入室されます。
2022年度は1700名を超える重症患者さんが入室し, 厳重な全身管理を受けています。

▶︎体外式膜型人工肺(ECMO)・補助循環用心内留置型ポンプカテーテル(IMPELLA)等の機械的循環補助
▶︎重症呼吸不全に対する人工呼吸器管理・腹臥位療法
▶︎腎不全・肝不全に対する血液浄化療法
▶︎他にも, 重症外傷, 急性中毒, 蘇生後管理, 神経集中治療…

当院の集中治療部は麻酔科, 救急科, 循環器内科, 消化器内科, 腎臓内科, 代謝・内分泌内科, 脳神経外科, 心臓血管外科, 小児科等々, 様々な専門領域を背景に持つ集中治療医が専従で集中治療部に勤務していることが大きな特徴です。

麻酔科蘇生科からは毎年3-4名程度, 集中治療室に勤務しており, 最近は集中治療医を志す入局者も増えています。

なお, 関連病院で集中治療部を持つ病院では, 麻酔科医がその運営と管理に携わっておられます。

麻酔と救急・集中治療

手術中には, 麻酔薬や手術による侵襲から身体を守り, 生命を維持するために呼吸・循環・神経系ネットワークの管理が麻酔科の手にゆだねられています。

救急部に救急車で運ばれてくる患者さんは, 重篤な疾患を持ち, 原因はなんであれ生命の危機にさられされています。
救急部では, まず危機的状況からの回避や蘇生が行なわれます。また, 同時に迅速な診断が求められます。
救急部で危機的状況からの回避が得られた後, 更なる治療や呼吸・循環の維持を行なうため患者さんは集中治療室に運ばれます。

このように救急や集中治療の現場で必要不可欠な, 蘇生危機的状況からの回避, 呼吸・循環・神経系ネットワークの維持, 等の全身管理の技術は, 手術中の麻酔技術と大きくオーバーラップしています。

このような理由から, 麻酔科医が救急・集中治療の現場でもその役割を担うことも多いです。
北陸三県の救命救急センター(3次救急)でも当科(金沢大学麻酔科蘇生科)出身の救急医の先生方がご活躍されています。