Advanced PTEeXAM合格体験記

Advanced PTEeXAMとは米国心エコー学会が主催する周術期心エコー認定医試験のことです.

そろそろPTEeXAMの申し込みが始まると思いますので, 当科のK先生が合格されたということで合格体験記を載せようかと思います😄

金沢大学麻酔科では多くの若手がJB-POTを取得しています．

自分も早く一人前になりたいという思いで勉強し，なんとか合格しました．しかし，あんなに（丸）暗記したのに，何も役立てている気がしない，という思いが常にありました． TEEをもう一度勉強し直す余地があると感じ， Advanced PTEeXAM受験を決心しました．

申込はNBE: national board of echocardiographyのホームページで会員登録して行います．2023年は申込が2月，試験は7月です．申込には早めの準備が必要です．

・申込期限はearlyとlate registrationがあり，前者で約1000ドル，後者は約1200ドルでかなり違います．

・申込には医師免許の英訳をpdf形式で送信する必要があります．英訳は厚生労働省に申請すれば無料で行ってもらえますが，約1-2か月かかります．免許の有効期限を明示する必要があるので，厚生労働省の担当に確認し，①免許に有効期限がないことを記載してほしいこと，②pdf形式でメールに送ってほしいこと，の2点を申請時に併記しました．（他の方の体験記では，有効期限の記載がなくても受理されたケースも見られます．）

無事申込が終わると，今度はテスト受験地を予約することになります．3月の申込完了通知とともにテストセンターを検索しましたが，しばらく日本の受験地がまったく表示されません．かなり焦りましたが，5月くらいに再度検索すると，日本のテストセンターが選択・予約可能となっており，予約できました．

試験勉強で使用した教科書・問題集はJB-POT対策を参考に行いました．

・周術期経食道心エコー実践法(元紫本，Perrino．日本語・英語版共に)

・周術期経食道心エコー連問式症例問題集(書籍は日本語，Web版は英語)

・Echocardiography Board Review: 500 multiple choice questions with

discussion (English Edition)

英語でPerrinoの章末問題を解き，日本語の本文で復習し，英語の章末問題に戻る，を繰り返しました．苦手な項目については，連問式問題集も追加で解きました．

どなたかの体験記を参考にBoard reviewを購入し，直前期に解きました．英語問題に慣れるという点ではよかったです．（経胸壁の図や問題がとても多いと思ったら，経食道に限らない，心エコー全般の問題集でした．）

当日は，受付で身分証明書を2つ提示します（パスポートでなくても良かったです）．

試験は，1ブロック54分40問，全5ブロック構成です．3,4ブロックの間で15分の休憩がとれますが，他に休憩時間はなく，電子機器や参考書は閲覧禁止です．食事や建物外に出るのは可能でしたが，ほとんど余裕はありませんでした．

CBT形式で，動画は何度でも繰り返し再生でき，スロー再生・コマ送り・コントラスト調整まで可能です．

問題の難易度や感想に関しても，他の人の体験記と感想はほぼ同じです．

すべての分野から満遍なく，大量に出題される形式です．JB-POTより難易度は標準的だと感じました．1ブロックを1周解き終わり，後から見返すためのチェックを付けた問題を見直すと，残りの問題を見直せるかどうか，という感じで，時間の猶予はほぼ無い印象でした．

試験の結果はちょうど10週間後にメールでスコアが通知されました．JB-POT受験から2年経過し，もう一度系統立ててTEEの勉強をする機会があったことはよかったように思います．また，今回の受験で感じたことは，試験問題が臨床に即しており，実践的であるということでした．原理問題でも臨床につながる内容が多く，受験そのものがよい復習となったと思います．

多くの方の受験体験記を参考に，今回の試験にチャレンジすることができました．自分の体験記も今後受験される方の一助になればと思います．